Netflixに見る動画配信サービスの今後
動画配信サービス
以前、映画を自宅で楽しむ為にはレンタルビデオ店へ足を運びお気に入りのDVDを手に取りレジに並んで、見終わったらDVDを返しに行くという一連の行動を取るのが主流でした。ところが近年ではデータの売買やレンタルが主流な時代へと変わり自宅から全く出ずに映画や動画といった娯楽が手に入ります。
また、データ中心の産業になった事により「この映画が見たいから、レンタルビデオ店まで借りに行く」といった能動的だった行動も、映画配信サービスのサイトを開けば日々、おススメの映画を更新してくれて「手持ち無沙汰の時にPCやモバイル機器さえあれば映画を見れる」といった受動的な行動へと変化しています。
それに伴い映画・動画配信サービスの種類も豊富になり選択肢が増えた分どのサービスを選べば良いのか、といった問題も出てくるかと思います。
今回は現在、全世界で会員数8,700万人以上の世界最大規模の映画・動画配信サービスであるNetflixは他の動画配信サービスと何が違うのか比較しつつ検証していきたいと思います。
<他サービスとNetflixの違い>
まず、動画配信サービスの中で「定額で見放題」という条件に限定すると
■hulu
■dtv
■U-NEXT
■Amazonプライム・ビデオ
■TSUTAYA TV
■フジテレビオンデマンド
■ビデオマーケット
などが国内でも比較的、人気のあるサービスです。
上記サイトと比べてみるとNetflixはオリジナルドラマのクオリティが高く、数も他のサービスより
多いと言われています。その力の入れようは凄まじくオリジナル番組制作費 50億ドル(約5,600億円)
を投下し去年最も検索された10番組のうち5つがNetflixオリジナル作品であったと発表しています。
アメリカではブロードバンド利用世帯の約半数近くがNetflixを登録しており世界80ヶ国を市場に他国でもシェアを伸ばしつつあります。もはや既存の「寄せ集めコンテンツを発信する動画配信サービス」というより新しいハイクオリティーなコンテンツでブームを生み出していくテレビ局のような存在になりつつあるNetflixです。
また、Netflixは他サービスより10年以上前の1998年頃からストリーミングサービスを開始しているのもシェアを伸ばしている要因の一つです。その中で培ってきたレコメンド機能は個人の視聴履歴だけではなく8,700万人の会員数を活かした独自のアルゴリズムを利用しており75%のユーザーがこのアルゴリズムにより流入し視聴をしているとの事です。
もはや動画配信サービスはただ既存のコンテンツを集め配信するだけの機能に留まらず巨額な資金と手間を投入し独自のコンテンツを生み出していくエンターテイメントカンパニーとしての要素も併せ持つ事が求められています。
既存コンテンツの著作権の奪い合いではなく、新コンテンツを自ら創りだす事で付加価値を付けていき他サービスとの差別化を図りながら市場で勝ち残っていくという手法は他業界でも慣例となりつつある手法ですが特にストリーミングサービスの業界では今後その動きが更に強まっていきそうです。